熱分解によるエネルギー・資源の高効率回収

熱分解とは,無酸素あるいは低酸素下で廃棄物に熱を加えることによって固体内で熱分解が起こり,揮発分(ガス,タール)とチャーになる反応を指します。ガスについてはクリーニングを経れば合成ガスとして用途が広がります。発電による電力への変換に加えて,ガスのままケミカルリサイクルの原料として利用することも考えられます。チャーの方についても,燃料利用に加えて,資材利用や炭素固定としての価値にも期待が広がります。

本研究では,熱分解ガス化・炭化についての基礎的研究を行うとともに、社会実装に向けた取り組みも展開します。

都市ごみ焼却プロセスの脱炭素化

脱炭素社会の構築に向けては、焼却施設の排ガス等のCO₂活用,運転効率向上,発電効率向上,回収エネルギー利用の高度化・効率化、そしてよりCO₂回収を前提とした焼却技術への進化が求められています。

本講座では,効率的なCO₂回収・利用を可能とするために,焼却処理のシステム,プロセスを抜本的に見直す研究開発に取り組んでいます。回収したCO₂の利用用途の観点も考慮して様々回収技術とのマッチングを検討するとともに,新しいプロセスにおいて想定される排ガス組成や,新規の技術的課題の抽出を行って最終的なプロセスの確立を目指しています。