人間活動に伴って排出される汚染物質に対し、大気汚染、水質汚濁などの対策が進めば必然的に固形廃棄物が増え、その処理が重要になっている。また有害物質を移動性の高いもの(気体・液体)から低いもの(固体)へと移動させることは環境浄化の一つの原理ともいえる。たとえば、下水の処理によって生成される汚泥は下水中の汚濁物質が濃縮されたものであり、汚泥が適切に処理されてこそ汚染対策は完結するといえる。
一方、都市ごみや産業廃棄物は人々のライフスタイルの変化に伴い、使用する素材などが変化し、ますます複雑化、多様化し、様々な問題を引き起こしている。
廃棄物は見方を変えれば都市に集積された資源であり、再資源化やエネルギー回収などの有効活用を図り、同時に環境汚染を最小化し、循環型社会を形成することが求められている。
当研究室では、再生や資源化を含めた廃棄物の処理処分システムについて、移動現象論や環境システム工学等の手法と基礎実験およびフィールド実験からの知見をもとに、物質やエネルギーの流れを解析し、都市の代謝機能を担う環境プラントの計画および設計、処理技術、制御等の研究を行い、最適な環境システムを構築することを目指している。製品から廃棄そして循環という廃棄物をとりまく枠組みの中で本研究室が具体的に取り組んでいる研究テーマ例を以下に示す。