使用装置:ESR

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正式名称機種番号製造者
電子スピン共鳴装置 - Electron Spin Resonance - JES-TE200 日本電子(JEOL)
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不対電子をもつ物質を磁場の中におくと、二つのエネルギー順位に分裂します。 これにマイクロ波を照射すると、磁場の強さに対応したマイクロ波が吸収され、 その吸収は物質の電子状態、構造、環境などを反映します。 電子スピン共鳴装置は、一定強度のマイクロ波を照射しながら磁場を掃引することにより、 マイクロ波の吸収スペクトルを得ることで、定性分析や不対電子の定量分析を 行うものです。

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上のグラフは高い酸化力をもち、有機汚染物質を分解する力が強いOHラジカルを含む溶液をESRで測定した結果です。 横軸は磁場の強さを表し、磁場を掃引することで それに対するマイクロ波の吸収の微分形が見られます。図の赤丸の4本のピークがOHラジカル(正確にはスピントラップ剤 とよばれる、ラジカルを安定化させる試薬と反応したOHラジカル)のピークです。 物質によりこのピークの本数および強度比が異なってきますので、定性分析が可能です。また、ピークを積分することで ラジカルの定量が可能です。