![xrf1](https://epsehost.env.kyoto-u.ac.jp/wp-content/uploads/2014/01/xrf1.jpg)
物質に一定強度以上のX線(波長が0.01〜10nmの電磁波)を照射すると、内殻軌道の電子をたたきだします。その空位をうめるべく外殻から電子が遷移し、外殻軌道と内殻軌道のエネルギー差に応じてX線(固有X線)が発生します。このX線を蛍光X線といいます。電子軌道のエネルギー順位は離散的で、その値は元素に固有であることから、固有X線は元素に固有な線スペクトルとして得られ、その強度は元素量に対応します。 蛍光X線分析装置は、試料にX線を照射し、試料からの蛍光X線を波長ごと(もしくはエネルギーごと)に分解することでスペクトルを得て、試料中元素の定性・定量分析を行います。
![xrf2](https://epsehost.env.kyoto-u.ac.jp/wp-content/uploads/2014/01/xrf2.jpg)
上は実際の分析用試料です。粉砕した試料をプレス機で成型して測定用試料とします。 他の元素分析法と比べて比較的簡単な前処理で、1試料につき15分程度の短時間で 元素組成を知ることができます。元素の存在形態(酸化物であるのか塩化物であるのか) などは知ることができませんが、固体試料、たとえば焼却灰、飛灰などの組成を素早く 知ることができます。