使用装置:GC/MS (HP)

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正式名称機種番号製造者
ガスクロマトグラフ - Gas Chromatograph - HP6890 Hewlett Packard
質量分析装置 - Mass Spectometry - HP5973 Hewlett Packard
gcms11
固定相とそれに接触しながら移動する移動相に試料を導入すると、固定相に対する溶解や吸着の程度の違いにより 物質の移動速度は異なります。このことを利用して混合物を分離および構成成分の定性・定量分析を行う分析手法を クロマトグラフィーといいます。ガスクロマトグラフィー(GC)は移動相として気体を使用する手法です。 GC/MSはその後段に質量分析器(MS)を設置したものです。MSはイオン化した分子に電場・磁場をかけることで、 質量数ごとに分離する装置で、GCにより分離した物質をさらに質量数ごとに分離することで、化合物の構造解析や 定量分析を行うものです。

gcms12
上のスペクトルはやや不明瞭ですが、D2CBs(塩素二置換体のPCBs)の標準試料のスペクトルです。 D2CBsの代表的な質量数である222の質量数をもつもののみを選択しています。 横軸は保持時間を示しており、同じD2CBsであっても塩素が置換する場所により、GCのカラム内における 挙動が違うことがわかります。 このように対象とする物質の質量数のみを選択的に取り出し、そのスペクトルを解析することで、 個々の異性体の濃度まで非常に精度よく知ることができます。CBzs(クロロベンゼン類)やPCBsなど 有機物質の濃度測定に必須の機器といえます。